はじめて宇多田の曲を聴いたのは、テレビから流れてきた初代ニンテンドーDSのCMだった。その時、アメリカから帰国して1-2年が経っていて、学校以外の日本社会で耳に残った久しぶりの英語だった。「この曲を歌っているのは誰?」と親に聞いたら、「宇多田ヒカル、このCMの人だよ」と教えてもらい、「Utada Hikaru Single Collection Vol. 1」とCMソングの Easy Breezy が収録されてる「Exodus」を買い与えてくれた。

「Single Collection」の中で最初に好きになったのは、time will tell、First Love、traveling だったと思う。

https://youtu.be/bYoVeIGl0ao?si=FCNQFTSAYLiFKMn4

「Exodus」はアメリカで出しているアルバムということも父に教えてもらい、国をまたいで活躍している宇多田のことがどんどん気になっていった。(日本の歌手なんか滅多に聴かない同級生が宇多田の Come back to me や 光 を知っていたのは、とても誇らしかった) コロナ中のオンラインライブでは珍しくこのアルバムの歌結構やってくれて、小さい頃の私が報われました。 おませな歌詞の意味なんて全然わかりっこないのに、切なさやウキウキが伝播するのはなぜなんだろう。

そのあと海外に移住しても、ULTRA BLUE や HEART STATION なども聞き潰すくらい気に入っていたのだけど、新しいアルバムが出なくなってから前ほど聞かなくなっていた。2016年に「Fantome」で復帰が発表されたときにそもそも活動休止していたことを知って、またゆっくり追うようになって本日の熱狂的な推し活に至る。

コロナ中に「BADモード」が出た時に、久しぶりに固有名詞いっぱいの歌詞に出会えて、小さいときに母に「枕元のPHSってなに?」って聞いたことを思い出す(笑) コロナで生活がフガフガしていた頃、どうやら宇多田もいろいろな変化を経験していたようで、改めて宇多田作品に通じて共通する生活感を感じるアルバムでもありました。やっぱ宇多田は生活や人間について歌っててサイコー。

そして6年ぶりのツアーのある今年、見事にツアー最終日の横浜K-アリーナに当選でき、私の推し活人生にて最高地点に到達してしまった!プロモーション段階で、travelingの再レコーディングも発表されて、これは原点回帰的なヤバいショーになるんじゃないかと思ってた。このtravelingもまた最高で。初期のtravelingはタクシーに乗って景色を眺めてる / 風を切っていくイメージがあったのが、再レコーディングの方はダンサブルで、楽器がどんどん増えていく情景から「一緒に行こう!」と誘われてるような雰囲気が楽しくて、本当に好き。(震)

と、ここまでは私のリアルガチ宇多田偏愛年表なのだけど、もう少しだけ具体的に好きなところも書いていきたいと思う。

宇多田の歌詞を良く気にするようになったのはじつは結構最近で。昔はおませすぎてよくわからない部分は熟考しなかったし、ストレートな表現はそのまま受け取って、どちらかというとリズムと語呂の良さをいつも聞いていた。(Keep Tryin’ とか traveling とかまさにそんな感じ) それが「Fantome」あたりから「あれ、これってこういうことなのかな…?」とか考えることが少し増えてきてそれもそれで楽しい。(道 とか 真夏の通り雨 とか。)

実は、宇多田のインタビューとか彼女が話しているところを見ないで来てしまってた。それがシン・エヴァの One Last Kiss のプロモーションで初めてインスタライブを見たときに、精神や人文について語っていて、ちょっと待ってめちゃくちゃその話一緒にしたいんだけどっ!って興味の範囲がドンピシャだった。それ以降彼女のインタビューを読み漁るようになった。